今回は、ストーン(Stone Brewing)の、ルイネーション ダブル IPA 2.0(RUINATION DOUBLE IPA 2.0)を紹介します。
ストーン
ストーンはカリフォルニア・サンディエゴにあるクラフトビールのブルワリーです。
IPAを得意としていて、いろんなIPAを出しています。
これは品川のアンテナアメリカで見かけた、ストーンのIPAの特徴を表した三角グラフです。
上が「トロピカル・ジューシー」、左が「ダンク・パイニー(松)」、右が「シトラス・フローラル(柑橘)」です。
今まで飲んだことがあるのは「IPA」、「Enjoy By IPA」ですが、いずれもバランスの良いところにいます。「Enjoy By IPA」はTROPICAL寄りのPINEYです。
今回飲む「ルイネーション ダブル IPA 2.0」は、よりダンクでパイニーなIPAのようです。
Hop Bursting(ホップ・バースト)
ルイネーションとは「破壊」を表します。
元々、2002年からこのルイネーション ダブル IPAはあるようですが、これが現代版に進化して2015年に「ルイネーション ダブル IPA 2.0」となったようです。そういえば、昨年は「2.0」と後ろにつけるのが流行りました。「お金2.0」という本はとても面白かったのでオススメです。
さてルイネーションですが、公式ホームページによると、何やらすごい技術を使ってつくられているようです。その名も「Hop Bursting(ホップ・バースト)」。直訳すると「ホップ爆発」。この「ホップ・バースト」と「ドライホッピング」によって、ホップから「松」、「トロピカル」、「シトラス」のエッセンスを一挙に搾り取り、このビールに"incredible character"を与えているとのこと。
ルイネーション(破壊)に、バースト(爆発)。これはとんでもない代物かもしれません。
2018年10月に、さらなる進化が、、
先ほどルイネーション ダブル IPA 2.0は進化したと書きましたが、2018年、さらなる進化をしています。
2018年10月に、「ルイネーション ダブル IPA 2.0 サンズフィルター」がリリースされました。これは無濾過のルイネーションです。そして濾過バージョン、つまり今回紹介するルイネーションは、もう生産終了してしまうとのこと。
せっかくなので、2本購入して飲み比べすることにしました。
サンズフィルターバージョンについては、また飲んだら紹介したいと思います。
ルイネーション ダブル IPA 2.0
さてここからはルイネーション ダブル IPA 2.0を飲んだ感想を書いていこうと思います。
先ほども書きましたが、このビールの特徴として「パイニー(松)の香り」があります。このビールを飲むために、実際に松を買ってきて松の香りを確かめました。
この松が今、うちにあります。そのおかげで、松の香りがよくわかりました。
松の香りについてはこちらの記事に書きました。
こちらがサンズフィルターバージョンではない、2015年発売のいわゆる現代版ルイネーションです。黒いパッケージで、いつになくこの悪魔がダークに見えます。
見た目は少し濃いめ。銅色です。
香りが立つように、ウェストコーストIPAを飲むときはこのシュピゲラウチューリップグラスを使用します。柑橘というよりは、断然トロピカル寄りの香りです。トロピカルと言うか、メロンや桃のようなジューシーなフルーツの香りです。青々としたトロピカルな香り、といったところでしょうか。
ここまでは、松が来ないので、、改めて松を嗅いで確かめます。
そしてもう一度、ルイネーション。すると、、、松の香りがしてきました...!というより、自分が嗅ぎ分けることができました。正確には、松の"ような"香りです。言うまでもありませんが、松の香りそのものではありません。「松の香り」は上の記事で紹介していますが、個人的には一言で言うと"ニス"のような香りで、癖のある甘い青臭い香りです。
ルイネーションの中には、松とトロピカルが両立していることがわかります。松が入ることでトロピカルな甘ったるさから、青々とした爽やかさが加わります。松脂の香りを嗅いだ時はツンとしたが、これは青々とした爽やかな香りです。
味は、柑橘の青臭い苦味を感じます。このビールの特徴として、なんとIBUが100を超えています。インドの青鬼がIBU56なので、その約2倍と言うことになります。インドの青鬼より2倍苦いと言うことです。
しかし、IBU100超えとは到底思えません。全く嫌な苦味はなく、むしろこの苦味が美味いと感じます。少しトロピカルが残っているおかげでしょうか、ものすごくバランスが良いです。
このIPAは、ウェストコーストIPAのサンディエゴ!ビーチ!サーフィン!という感じではなく、もっと暗くて、ダークで、例えるのであれば、森の中にある悪魔の家にお邪魔した時に出してもらったIPA、といった感じです。アルコール度数が8.5%と言うところもなかなかです。怪しげな魔力を感じるIPAです。
あまりワイワイしたところで飲むよりは、シャレオツなバーでしっとり飲む感じですね。オクトーバーフェストなんてもっての外です。まあそれは少し言い過ぎですが。
まさに「破壊」、「ホップ爆発」、そんなワードが似合うビールだと思います。
使用されているホップ
ルイネーション ダブル IPA 2.0で使用されているホップは、マグナム(Magnum)、ナゲット(Nugget)、センテニアル(Centennial)、シムコー(Simcoe)、シトラ(Citra)、アザッカ(Azacca)です。
飲んだビールのホップを最近集計し始めました。と言ってもまだサンプルが11種類しか集まってませんので、傾向が見えているわけではありませんが、その少ないサンプルからこのビールで使われているホップの特徴を考えてみます。
ホップ自体は、ウェストコーストIPAでは割とおなじみのものが使われているように思います。その中でもAzzacaは、珍しいと思いました。これはStone IPAでも使われている品種で、2014年から流通し始めた新品種だそうです。オレンジ、マンゴー、パイナップルといった、トロピカルフルーツのアロマが特徴的なホップです。
ホップの品種だけでなく、エッセンスの抽出の仕方、つまり「ホップ・バースト」によるところも大きいのかもしれません。
今回は以上です。