今回は、アイルランドのギネス社の「スタウト」を飲んだので紹介したいと思います。
こちらも前回のバスペールエールに引き続き、82ALE HOUSEで飲んだビールです。
黒ビールのスタイル違い
スタウトで生まれた黒ビールです。
黒ビールといっても、いろんなスタイルの黒ビールがあります。
ドイツのシュバルツ、イギリスのポーター、そして今回紹介するアイルランドのスタウト、他にも濃色麦芽を使ったビールはありますが、有名どころはこのあたりかと思います。
大まかな違いとしては、シュバルツは下面発酵、ポーター、スタウトは上面発酵です。
日本の大手会社が出している黒ビールは、シュバルツスタイルのビールだと思われます。
これまでにこのブログでもいろんな黒ビールを紹介してきました。よろしければご覧ください。
「黒ビール」の一覧
スタウトとは 〜ポーターとスタウトの違い〜
続いて、ポーターとスタウトの違いを紹介します。
厳密にいうと、スタウトの起源はポーターにあります。アイルランドのギネス社が、ロンドンで流行したポーターを独自の醸造法で開発し、よりアルコールの強い「スタウト・ポーター」を発売しました。「スタウト」とは、「強い」という意味です。
ギネスは黒ビールの中でもよりドライでスッキリとした味わいです。
その秘密はギネスの使っている原材料にあります。
この部分については村上満さんの「ビール世界史紀行」より引用させていただきます。
ギネスの開発技術の一例が「焦がした大麦」の利用です。ポーターの原料はもともとブラウン麦芽でした。ポーターの色はブラウン麦芽の色に由来していました。ところが、ブラウン麦芽は高い温度で乾燥するために糖化酵素力が弱いので、エキスの歩溜まりが悪かったのです。ギネスはブラウン麦芽に変えてペール麦芽を使いエキス分の収益率を上げました。色付けに焦がした大麦を使ったスタウト・ポーターの製造工程は大幅に合理化されましたが、香味において従来のポーターと違っていました。
ギネスはむしろ新式のスタウト・ポーターのドライな特徴を前面に押し出しました。ここにポーターはスタウトに変身したのです。
ギネスのスタウトでは「ブラウン麦芽」の代わりに「ペール麦芽」(淡色麦芽)を使用し、色つけには焦がした大麦を使っているのですね。ここがポーターとスタウトの決定的な違いかと思います。
スタウトの原材料を見てみると、確かに「麦芽、ホップ、大麦」とあります。
またスタウトには「ドライスタウト」や「スイートスタウト」、「オートミールスタウト」、「オイスタースタウト」などいろんな種類のスタウトがあり、原材料も違うので飲み分けてみるのも面白いかもしれません。
それにしても、今回も参考にさせていただきましたが、「ビール世界史紀行」はとても勉強になります。
ギネス スタウト
それでは、82ALE HOUSEで飲んだギネスのスタウトを紹介します。
上の章で原材料や香味の特徴についても十分に紹介してしまったので、もう不要かもしれませんが。。
色はしっかりとした黒です。
口当たりはローストな香味を感じますが、とてもドライです。ここで飲んだスタウトはとても冷えていて喉越しもとても良かったです。
後味にエール特有の発酵感とともに苦味が残りますが、やはり総じてドライな味です。
これがアイリッシュスタイルの黒ビールの王様「スタウト」か!といった感じでした。
まとめ
今回は、82ALE HOUSEで飲んだギネスのスタウトについて紹介しました。
ローストな香味とややエール特有の発酵感も感じつつ、総じてドライな黒ビールと言えると思います。
ドライな喉越しなのでゴクゴクと飲めます。夏場に冷えたスタウトを、美味しいものを食べながら飲めたら最高ですね。
今回は以上です。