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なぜ笑いは起きるのか?お笑いの基本「緊張の緩和」理論を解説!桂枝雀さんの本を読んでみた

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僕は、漫才やコントなどと言ったお笑い番組が好きです。最近では、AmazonPrimeの「ドキュメンタル」にどハマりしています。

お笑い番組を見ていると、芸人さんは天才だと思います。

そして、ふと、ある疑問が浮かびました。人はなぜ笑うのでしょうか?

この疑問を解消するために、ネットでいろいろと調べてみました。その結果、あるひとつの結論に辿り着きました。今回は、笑いの根底にある理論についてご紹介したいと思います。

笑いの根底にあるのは「緊張の緩和」

笑いの根底にあるのは何か?という問いに対する一つの回答として、「緊張の緩和」理論というものがあります。

緊張と緩和」ではなく、「緊張の緩和」です。

これは、伝説の天才落語家である、桂枝雀さんが唱えた理論です。

桂枝雀さん

なお、ここでご紹介する桂枝雀さんは2代目の桂枝雀さんです。2代目以降は空き名跡となっているようです。詳しくは以下のサイトを参照頂ければと思います。

桂枝雀_(2代目) Wikipedia

「緊張の緩和」についての参考書籍と参考動画

まずは桂枝雀さんの本をご紹介します。枝雀さんはこの本で、「緊張の緩和」によって笑いを説明できると語られています。


らくごDE枝雀 (ちくま文庫)

また、昔のテレビ番組の映像がYouTubeに上がっていました。こちらでも「緊張の緩和」について語られています。

動画で見た方がわかりやすいですが、それでも枝雀さんの言っていることを正確に理解しようとするとなかなか難しいです。今回は、動画の内容について自分なりに解釈して内容をまとめてみたいと思います。また、枝雀さんの本や動画では、落語を題材にして説明していますが、もう少し噛み砕いて、漫才などの題材に落としてみたいと思います。



まずは「緊張」について考えてみる

「緊張の緩和」とは、「緊張」を「緩和」することなので、「緊張」の意味が掴めると、「緊張の緩和」理論が理解できそうです。

では、そもそも、この文脈で使われている「緊張」とは何でしょうか。まずは、「緊張」の定義を見ていこうと思います。



[名](スル)
1 心やからだが引き締まること。慣れない物事などに直面して、心が張りつめてからだがかたくなること。「緊張をほぐす」「緊張した面もち」
2 相互の関係が悪くなり、争いの起こりそうな状態であること。「緊張が高まる」「緊張する国際情勢」
3 生理学で、筋肉や腱 (けん) が一定の収縮状態を持続していること。
4 心理学で、ある行動への準備や、これから起こる現象・状況などを待ち受ける心の状態。

デジタル大辞泉(小学館)から引用

いくつか意味があります。パッと見だと、この中では、1番か、4番の定義が近そうな気がします。

枝雀さんの考える「緊張」とは

ところで、枝雀さんは、動画の中で、「笑い」は、基本的には以下の4つに分類できると話しています。

  1. 知的な笑い
  2. 情的な笑い
  3. 生理的な笑い
  4. 社会的な笑い

そして4つに分類された「笑い」について、「緊張」をそれぞれ次のように定義しています。

1、知的な笑い

まず初めに、「知的な笑い」についてです、この笑いでは、

  • 緊張・・・正常ではない状態/おかしな状態
  • 緩和・・・普通な状態

と定義しています。これを「緊張の緩和」に当てはめてみると、「正常でない状態から普通の状態に戻った時に笑いが起きる」となります。さらに言うと、本当におかしなこと、例えば物が浮かんでいる などといったことが目の前で起きたら、人は笑っていられません。ですが、それが仕組まれた、作られた状態(例えば手品など)であれば、人は笑います。また、芸人さんが漫才をしていておかしなことを言ったときに、それがネタだとわかっているので人は笑います。このように、「普通な状態」(緩和状態)が大前提にあるからこそ、そのギャップで人は笑うのです。これが知的な笑いにおける「緊張の緩和」です。

2、情的な笑い

続いて情的な笑いです。この笑いにおいて、緊張は以下のように定義されています。

  • 緊張・・・他人のちょっとした困り
  • 緩和・・・普通な状態/困らない状態

「緊張の緩和」に当てはめると、「他人のちょっとした困り」が「普通な状態」に戻った時に笑いが起きる となります。ただし、「困り」がきつすぎたら笑えませんし、「自分のこと」だったらそれも笑えません。「他人のちょっとした」と言うところがポイントです。緊張が勝ちすぎてると、緩和し切れずに笑いが起きません。これも「知的な笑い」同様、「困らない状態にすぐに戻れる」という前提があるからこそ、「他人のちょっとした困り」が笑えてくるのだと思います。

3、生理的な笑い

続いて「生理的な笑い」です。枝雀さん曰く、これは笑いの分類の一つであり、同時に「すべての笑いの根本」でもあります。「生理的な笑い」については、例えば、お母さんが赤ちゃんに対して行う「いないいないばあ」が挙げられます。

  • 緊張・・・いないいない…ばあ
  • 緩和・・・お母さん

これによって、赤ちゃんは生理的な笑いを起こします。お母さんがやっている緩和の土台がある中で、緊張が起きることで笑えてくるということです。

4、社会的な笑い

最後は社会的な笑いです。これは以下の通りです。

  • 緊張・・・忌み嫌うこと(タブー/下ネタ)
  • 緩和・・・普通な状態

タブーや下ネタは、「こんなところで言ってはいけない」という緊張です。これは割と理解しやすいのではないでしょうか?

これはTHE MANZAI 2011決勝戦のナイツのネタです。ナイツの漫才は面白いので個人的にはとても好きなのですが、真面目に笑いの分類を行うと、漫才の開始からはずっと「知的な笑い」を繰り広げていきますが、「のりピー」のシーン以降は「社会的な笑い」に分類されると思います。

まとめ

今回は一旦ここまでにします。書いていたら思ったよりも長くなってしまいました。まだもう少し、書こうと思っていたことがありますので、この続きは次回書いていきます。

一旦ここまでの内容をまとめます。

笑いは、何パターンかに分類ができますが、笑いの根本にあるのは「緊張の緩和」です。「緊張」とは、一言で表すと、「正常ではない状態」、「普通ではない状態」と定義できるのではないかと思います。

ここでは枝雀さんの理論のほんの触りだけを書きました。より詳しく解説が見たい方は、ぜひ本を読んでみてください。笑いについて、図を使って説明しています。ここまで笑いを理論的に説明したものを僕は他に知りません。興味がある方はこの機会にぜひ。

らくごDE枝雀 (ちくま文庫)
桂 枝雀
¥ 691
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追記:続きを書きましたので、よろしければこちらもご覧ください。

ドキュメンタルにおける緊張の緩和

また、冒頭でもご紹介しましたが、枝雀さんに影響を受けた芸人の一人である、松本人志による笑いの実験、「ドキュメンタル」もオススメです。このドキュメンタルでは、緊張の緩和を随所に見ることができます。そもそもこの企画には、「笑ってはいけない」という設定があります。この設定自体が、緊張感を生み出しています。緊張が存在するということは、もうそこに笑いが存在するということです。すでに緊張状態にある空間で、芸人がボケることで、さらなる緊張空間ができていきます。そして、誰か一人が笑うことで、ふっと緊張が説かれ、みな一斉に笑い出します。

枝雀さんと松本人志の2人に共通するのは、笑いに対してとてもストイックなところだと思います。そして2人とも天才です。天才がストイックに笑いに取り組んで生み出した作品ですので、それが面白くないわけがありません。まだ観てない方はこの機会にいかがでしょうか。


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