今回は、岩手県にある醸造所「銀河高原ビール」の代表的な銘柄「小麦のビール」について紹介したいと思います。
※2020年3月末をもって岩手県の醸造所では生産終了しているようで、今は長野県軽井沢にあるヤッホーブルーイングにて委託醸造しているようです。また2020年4月より新パッケージ版が発売されています。こちらも別の記事で紹介しています。
銀河高原ビールとは
銀河高原ビールは1996年に岩手県にて醸造所としての事業がスタートしました。
規制緩和によって、日本で地ビールが解禁されたのが1994年、地ビール第一号のエチゴビールが開業したのが1995年ですので、銀河高原ビールもクラフトビール界においては老舗ということになります。
そんな銀河高原ビールの設立当時の様子が、銀河高原ビールのホームページに書かれています。
醸造所設立前、準備室メンバーがヨーロッパ・アメリカへ向かい、各地のビールの醸造所を視察しました。特にドイツではミュンヘン・ケルン・デュッセルドルフなどを訪れて1週間に80種類のビールを飲んだあとに、導き出した結論のもと、再度訪れた醸造所がミュンヘンの「アウグスティナー醸造所」でした。このヴァイツェンが銀河高原ビールのベンチマークとなっています。その時の印象は
・従来の日本のビールと明らかに違い、説明せずに判ること
・個性が際立っており、たとえ少数派であったとしても、強烈なファンになる可能性を秘めた風味であること
でした。
引用:http://www.gingakogenbeer.com/knowledge/history/
当時の日本ではピルスナーしかなかったので、さあ地ビールをつくるぞ、となった時に、ヴァイツェンは苦味がなくてフルーティーなビールですので、従来のビールとは明らかな違いを出すために最初に選ばれやすいビールだったのかもしれません。
地方の温泉に行くと、よくその土地の地ビールがありますが、ほぼ必ずと行っていいほど、ヴァイツェンがラインナップされています。
現に僕も、ドイツに旅行した時に、ヴァイツェンを飲んだことがビールのことが好きになりました。
この銀河高原ビールに象徴されるように、日本の地ビールを語る上で、ヴァイツェンは外せない存在なのかもしれません。
小麦のビール 通常のヴァイツェンとの違い
小麦のビールは、「ヘーフェヴァイツェンというスタイルのビールです。ヘーフェとは、酵母が残って濁っているもののことを言います。
小麦のビールは、ビール酵母が残ったヴァイツェンということです。ここが通常のヴァイツェンとの違いです。
銀河高原ビール 小麦のビール
ここからは、銀河高原ビールの小麦のビールを紹介していきます。
こちらのトナカイのマークがおなじみの銀河高原ビールですが、青いパッケージは一番見慣れているかもしれません。可愛らしいパッケージです。
原材料は麦芽(小麦・大麦)が100%、あとはホップのみです。純粋なヘーフェヴァイツェンです。
側面には、このビールを飲む上での注意点が書かれています。このビールの特徴は"濁り"ですが、下に溜まってしまうため、1/2を注いだところで缶を軽く降って残りをグラスに注ぐという方法が書かれています。
実際にその方法で注いでみました。
確かに濁っているのがわかります。見るからにおいしそうな色合いです。見た目でも味わえるのがヴァイツェンのいいところですね。
そして注いだ瞬間から、とてもいい香りがしてきます。バナナ香が支配的です。しかしながら飲んで見ると、少し複雑な味わいです。バナナ香と、鼻から抜けるクローヴの香りがします。甘くフルーティで、雑味がなく、モルトのキャラメルのような甘みも感じます。
この銀河高原ビールのキャラメルのようなモルトの優しい甘味は、このブルワリーの特徴でもあるかもしれません。
それにしても、この濁りはかなり濃いめのヘイジーIPAのようです。この色を見ただけで熱烈なヘイジーファンは発狂するのではないでしょうか。とても良い色をしています。
渋味はなく、小麦由来の酸味もそこまで強くないのでとても飲みやすいです。上品でふんわりとした口当たりが良い感じです。ビールのパッケージといい味といい、老舗のつくる本場の味 といった感じでした。
美味しかったです。
みなさんもぜひ飲んでみてください。
※冒頭でも紹介しましたが、新パッケージで発売中です!
今回は以上です。
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